日本キリスト教団砧教会 (The United Church of Christ in Japan Kinuta Church)

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牧師紹介

現在の牧師は金井美彦です。立教大学大学院博士課程単位取得退学後、大学教員その他を経て、2014年に砧教会牧師着任、現在に至ります。

牧師からのメッセージ

キリスト教はわが国では特に教育と医療・福祉の世界をリードしてきました。宗教という面では、日本は神道、儒教、仏教などアジア文化圏の中にあるので、キリスト教は異質な印象を受けますが、500年ほどの歴史があります。もちろん、鎖国の時代があり、「キリシタン」が弾圧され、潜伏キリシタンとして生きざるを得なかったこともありました。しかし開国後の日本は、欧米の近代主義とキリスト教によって国際社会に復帰し、その後猛烈な勢いで近代国家をつくりましたが、キリスト教は曲折を経ながらも、日本のいたるところに教会をつくり、信徒集団をつくりました。十五年戦争期はキリスト教の一部といくつかの宗教団体が弾圧されましたが、戦後、キリスト教はアメリカの強力な後押しもあり、再び飛躍的に成長しました。
やがて戦後復興から高度成長期をへて、日本の古い共同体は解体され、都市化が進むとともに、日本全体が世俗化し、宗教のような古臭く、迷信のような教えは廃れはじめました。他方、そうした日本社会の世俗化と大衆社会の到来を堕落とみて、それらを突破する強硬な宗教的信念を掲げて、カルト集団(外部との関係を閉ざし、一方的信念を注入し、教祖に隷属させ、信徒の行動を操る強固な集団)を形成する動きが活発化しました(1980年代から)。
こうした団体の一部、オウム真理教の巨大なテロ事件をきっかけに、宗教団体は全体として怪しいとされ、恐怖の的にさえなります。もちろん、キリスト教のような外来の伝統宗教も例外ではありません。というより、キリスト教自体がそうしたカルト性を持っていたからです。このことに無自覚なままではこれからのキリスト教の存続は危ういと思われます。
では、このような時代にあって、キリスト教の存在理由は何か?
IT技術の驚異的発達とグローバル化の中、人間の矮小化、断片化が進む中で、一人一人の尊厳を確認すること、つまり一人一人が自由と責任の主体であること、言い換えれば、この世界にかけがえのない一人として各人が「創造された」ことを再発見し、喜びをもって生きることを促すことこそ、キリスト教の果たすべき役割であると思います。多くの人々が進歩の速さにたじろぎ、なすべきことがわからない時代、真に確かな土台として、聖書の言葉を学び、それを糧として生きることがいかに素晴らしいことであるか、皆さんともに分かち合いたいと思います。